受託開発を成功させる為には
こんにちは、ソリューションSecの西川です。
システム開発業界では「受託開発」「自社開発」「SES」などの事業形態がありますが
今日は、私たちの部署で主に担っている「受託開発」事業についてご紹介したいと思います。
受託開発とは、お客様からシステムの開発を委託され、要求仕様に基づいた開発を行う方式です。
「○○業務に手間が掛かっており、効率化の為にシステムを導入したい」
「今使っている××システムの△△機能が使いづらいので、改修して欲しい」
このような声に対して、具体的にどうすれば課題解決出来るのかを提供する
これこそが私たちの使命です。
受託開発の課題点
私自身、業界歴はまだ5年程ですが当初はこんなにもうまくいかない仕事があるのかと驚いた記憶があります。
その課題点を大きく3つ挙げると、
- ソフトウェアの品質担保
- プロジェクト管理
- 事業としての収益化
これらに対してなかなかどのプロジェクトもうまくいかず、悩み続ける日々が続きました。
まず、品質に関しては単純な技術的な経験値で排除出来るものばかりではなく
お客様との認識相違の発生や、具体的な要求仕様が確定しないまま
開発スケジュールが短縮され品質が低下するなど、コミュニケーションやマネジメントにおける要因がいくつも存在しておりました。
プロジェクト管理については、当初は全くと言っていいほど何も管理しておらず
とにかく毎日残業に追われ、休日返上も当たり前のような状態で現在の進捗率や工数実績の把握すら出来ておりませんでした。
これらは中小規模のSIer企業では特に珍しい事ではなく、この業界ではよくあることだと聞かされていましたが
製造原価も把握出来ていない状態では事業として成り立つわけもありません。
また、医療やスポーツなどと同じようにシステム開発にも多岐にわたる分野があり
それぞれに専門的な技術やノウハウが必要となります。
広く浅く経験を積み将来的に自社開発に繋げるという面では悪い事ではないですが、
器用貧乏のままでは一向に生産性が上がらず、いずれ競合他社に淘汰されることは明白です。
事業としてしっかりと収益を確保する為に、また何よりお客様に安価にソフトウェアをご提供する為には
チームの特性・得意分野を把握したうえで高い生産性を上げられる分野に特化していく必要があると考えます。
PMBOKの導入によるQCD改善
弊社では私が入社した時期と同じ頃より、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)の導入を実施致しました。
これはプロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系立ててまとめたもので
現在はプロジェクトマネジメントの事実上の世界標準として世界各国に浸透しています。
従来のプロジェクトマネジメントの考え方としては基本的なQCD管理が中心で
Quality(品質)・Cost(原価)・Delivery(納期)という3つのゴールを決め
その目標に向かってプロジェクトをコントロールするというものです。
しかし、ゴールだけ目指してもなかなかうまくいかず、目標を達成するためには
そこに至るプロセスも対象としてコントロールする必要があります。
管理視標としては10の知識エリアに対して5段階のプロセスがあり、さらにそれぞれに対して3つのパートに分かれています。
引用:https://products.sint.co.jp/obpm/blog/serial-umeda01
導入初期は開発で手一杯にも関わらず余計な仕事をさせるなと
社内的な反発意見も多く上がり難航しました。
そんな中、必要だと感じるメンバーが率先して実践してみると
次第に納期遅延がなくなり、実際に生産性の向上を体感出来たのです。
詳細にご紹介すると長くなってしまいますので完結に要点を伝えると
- 事前にあらゆるタスクを洗い出し、細分化してやるべき作業を明確化すること(WBS)
- それをもとにスケジュール化し、マストで守らなければならない日を設定すること(マイルストーンの設定)
- 予定に対する進捗を管理し、課題共有と対策がとれるプロセスを構築すること(監視・管理プロセスの徹底)
以上3点が私の部署で重要視しているポイントとなります。
弊社では週次で進捗報告会議を設けることで監視・管理プロセスの徹底を行っております。
各プロジェクトごとに進捗やCost(原価工数)の状況を共有し、
実装担当者が抱える技術的な課題を含め、あらゆる課題に対して即座にチーム内で共有することで
素早い打ち手が取れるようになりました。
結局のところ、予定が予定通りに進まない要因は何らかの「課題」があるはずで
この「課題」を「共有」できるかどうかが鍵なのです。
課題を抱える当事者が自らだけで解決出来ないということは必ず発生し得るものですが
それをいち早く共有できるかどうかは当事者の報連相スキルと上司の管理スキルに左右されます。
この状況こそが問題で、個人に依存する形からプロセスで防ぐための仕組みへシフトすることが重要になってきます。
終わりに
弊社では上記の仕組みをもとにプロジェクト管理を徹底し
お客様にご満足いただけるシステム開発を目指しております。
何かお困りごとがあった際はぜひ一度ご相談ください。